Work Style

女性技術者たちの
活躍フィールド

働き方とキャリアを知る

かつて、技術の最前線では少数だった女性技術者。その増加とともに彼女たちの活躍するフィールドも広がっています。

井上香寿美
シート事業本部
シート実験部
機械航空学専攻
2000年入社
辻紗里奈
品質領域
品質保証部
繊維システム工学専攻
2004年入社
富田玲子
先端開発領域
車室空間企画部
建築学専攻
2010年入社
Q1
トヨタ紡織への入社動機は?
■井上
専攻を生かせる航空業界を考えていました。ですが、クルマ好きの人が多い学部に所属していたため、周囲の影響もあっていつの間にかクルマが好きになり、トヨタ紡織に興味を持ちました。入社後はシート実験部に配属となり、シートの奥深さを知りました。現在でも日々新たな発見があり、やりがいを感じています。
■辻
全国でも数少ない繊維工学を専攻していました。自動車業界はまったく考えていませんでしたが、学生のころからクルマは好きで、就職活動中に、「そういえばクルマと人との接点はシートの繊維だな」と気づき志望しました。現在も専攻を生かせる天然繊維・合成繊維の品質保証を担当しています。
■富田
クルマとは縁のない建築学を専攻していましたが、建築学を学ぶ中、世の中の潜在ニーズを掘り起こし、いかに形にするかという経験をしました。就職活動を進める中、トヨタ紡織が「未来を予測し、潜在ニーズを形にする企画部門」を立ち上げることを知り、興味を持ち志望しました。
Q2
仕事のやりがいは?
■井上
実験・評価というと、一般的には設計がつくったものが法規や顧客ニーズに適合するものかを判定する、設計の下請けのようなイメージを持たれるかもしれませんが、評価計測技術開発という仕事はその逆で、法規や顧客ニーズを超えた品質をつくっていくために、どのような評価方法があるかを探っていく仕事です。つまり、私たちが従来の乗り心地や強度などの限界を超えていけば、法規や顧客ニーズを上回る製品が世に出ていく。その基準をつくる仕事だと思っています。
■辻
品質保証は、設計や製造のつくった製品をいかに保証するかという仕事です。品質のプロである私たちは、「この設計や素材を使えば、こういう不具合が出る」というリスク情報を豊富に持っています。そういった情報を考慮し、自動車メーカーの規定を上回る基準でモノづくりができるよう、提言していくことが私たちの仕事です。
■富田
車室空間企画部の中の、私が所属する技術戦略室のミッションは、トヨタ紡織の掲げる「QUALITY OF TIME AND SPACE」(上質な時空間)を、いかに企画していくかを考えることです。このキーワードが策定されたのは2016年。一人ひとり捉え方が異なっていた「上質な時空間」を定義づけるため、世界観を表すイメージビデオなどの映像づくりや、モーターショーへのコンセプトモデルの出展等、これまでに様々な活動を行ってきました。そうしたトヨタ紡織らしい未来の車室空間を企画していくことに、面白さを感じています。
Q3
理想のキャリアプランは?
■井上
現在は、乗り心地を数値化するという基準づくりを担当していて、その道でのエキスパートを目指しています。社内でもごく限られた人しか経験していない仕事ですし、将来のトヨタ紡織の競争力につながっていく仕事ですので、専門的にやっていきたいと思っています。
■辻
表皮は、自社でつくっているわけではなく、仕入先から購入したものを品質保証しなければなりません。工程監査でモノづくりの現場に入らせてもらうことも多く、日々学ばせてもらっています。10年、この仕事を続けていても、まだ学べることがあるので、この仕事を継続し「表皮のことなら辻に聞け」といわれる存在になりたいですね。
■富田
車室空間企画部は、比較的新しい部署なので、部署の役割は最近ようやく浸透してきたように感じます。トヨタ紡織の社内でも「新しいことをやっていこう」という気運が高まっているため、社員の皆さんが何かをやりたいと思ったときに、ハブになれる存在になりたいですね。
Q4
働く環境は?
■井上
実験は、重いものを運ぶこともあります。社内ルールで、女性は12kg未満のものしか持ってはいけないのでできない作業もありますが、代わりに自分にできることは何だろうと考えながら働いています。私が入社したころは、重要なプロジェクトには男性が抜擢されるという雰囲気がありましたが、今は、そうした空気はみじんも感じませんね。産休を取得すると評価が下がる等ということもないので、キャリアを重視したいという人には働きやすくなっていると思います。また、専門知識を習得するためのセミナーにも、「どんどん行け」と言っていただけるので、積極的に参加しています。
■辻
仕入先に頻繁に訪問するため、出張が多いですね。かといって、過剰な気遣いはなく、フラットな雰囲気です。来年から基幹職になるので、マネジメントをしていかなければなりませんが、表皮のスペシャリストになりたいという意思を尊重していただいており、そうした方面の能力を伸ばせるような配慮があるのはありがたいですね。品質保証は、社外のセミナーなどは少ないのですが、社内セミナーは充実しています。私の上司も各分野の専門家として社内講師をつとめています。また、私はトヨタグループの「女性活躍」に向けてのセミナーに参加しています。
■富田
部長が女性で、男女比も半々という環境からかもしれませんが、自分が男だとか女だとかを意識する場面はありませんね。産休から戻って以前のように活躍されている人も多いです。女性だから不利になるということはなく、むしろ車室空間の企画をするにあたり「子育て中のお母さんの意見を聞きたい」という場面もあり、それぞれのプライベートが生かせる仕事だと思っています。東京モーターショーには、時短勤務の人も含めて部員全員が参加しました。一人ひとりが自分の視点での気づいたことを共有し合うなど、全員で高め合う風土がありますね。
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